2008/08/12

おじょうさん

、かわいい前髪をもっていて、からだの色がかわる。
、ムーミントロールのガールフレンドになる。

「 ぼくがすこしまえにあったスノークたちのことは、話したっけ? 」
「 話さないよ。スノークって、なあに? 」

スナフキンは、びっくりしていいました。
「 きみ、ほんとにスノークのこと、知らないのか。あいつたちは、きみの親類にちがいないぜ。よくにてるもの。もっとも、きみは色が白いし、あいつたちは、いろんな色をしていて、おまけに、こうふんすると、色がかわるけどね。 」
ムーミントロールは、おこった目つきでいいました。
「 そんなやつと、親類なもんか。色がかわるようなやつとなんか、親類じゃないよ。ムーミントロールは、一種類しかないし、色は白いんだ。 」
でも、スナフキンは平気な顔です。
「 とにかくね、このスノークたちは、きみとよくにてるんだよ。形のことだかね。
スノークたちは、計画をたてたり、原因をしらべたりするのがすきで、うるさいくらいのときもあるよ。かれの妹は、きいてることはきいているがね、なにかほかのことを考えているんだと、ぼくは思うよ。まあ、自分のことでも考えてるんだろう。
あの子は、やわらかできれいなうぶ毛に、すっかりおおわれていて、前髪まであるのさ。いつでも、そいつにブラシをあててるよ。 」
「 ばかなやつだなあ。 」
と、ムーミントロールはいいました。

「 さあ、それでどうなったの? 」
と、スニフがたずねました。
「 ああ。べつになにもおこらなかったさ。スノークの妹は、だれかがおなかをわるくすると、小さなはらまきを草であんで、心のこもったスープをつくってやるんだ。それから、耳のうしろには花をかざっているし、左の足には金の輪をはめてるよ。 」

「 そんなの、お話じゃないよ。ちっともスリルがないもの。 」
と、スニフが大声をあげました。
「 からだの色をかえるスノークと、うまれてはじめてあったのに、きみはそれをスリルだと思わないのか。 」
こういってから、スナフキンはまたハーモニカをふきはじめました。

「 女の子は、みんなばかだよ。きみだって。 」
と、ムーミントロールはいいました。そして、ねぶくろの中にもぐりこみ、顔をテントの布のほうへむけて目をつぶりました。

けれども、その晩かれは、自分ににたスノークの女の子に、耳のうしろへかざる花をプレゼントしている夢を見たのでした。