「 あれは、なんだろ。 」
「 ダイヤモンドかい? 」
と、スニフは、ききました。
「 どうも、小さなうで輪らしいぞ。 」
というと、ムーミントロールは、霧の中をまっすぐに進みました。
スナフキンがどなりました。
「 気をつけろ! あれはたしかにがけっぷちだぞ! 」
ムーミントロールは、ゆっくりゆっくりとすすみました。はらばいになって、がけっぷちにのりだすと、手をのばしながらさけびました。
「 つなをもっててね。 」
スナフキンとスニフは、ありったけの力でつなをつかみ、ムーミントロールは、がけっぷちから、いっそうからだをのりだしました。それから、やっとうで輪をつかんで、もどりました。
「 こりゃ、金でできてるぞ。スノークのおじょうさんは、左の足に金の輪をはめてると、いわなかった? 」
ムーミントロールがききました。
スナフキンは、かなしそうに答えました。
「 うん。あのきれいなおじょうさんは、あぶない場所へ、いつも花をつみにいくらしいよ。 」
「 その女の子は、きっともう、ジャムみたいにつぶれちゃってるよ。 」
と、スニフがいいました。
かれらは、しょんぼりと歩きつづけました。
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