2008/08/17

小さな湖の岸辺

だれかが、森の中でさけんでいました。たいへんするどく、かん高いひめいです。そのため三人とも、首すじの毛を、ぴんとたてたほどでした。

ムーミントロールは、鉄砲玉のように走りだしました。
「 まってくれ。ぼく、ついていけないよ。ああ、うう。 」
スニフは、命づなにおなかをしめつけられて、文句たらたらでしたが、しまいには、わめきながら地面をひきずられていきました。けれども、ほかのふたりは、走るのをやめません。
「 ちくしょう、こんなやつは、早くはずせよ。 」
と、ムーミントロールはおこりました。
「 きみ、わるいことばをつかったな。 」
と、スニフがいいました。
「 それがどうした。ひめいをあげているのは、スノークのおじょうさんなんだぞ。ぼくはちゃんと知ってるんだ。 」

「 まあまあ、ふたりともおちつけよ。 」
スナフキンはナイフをだして、つなを切りました。
ムーミントロールは、足がみじかいのに、せいいっぱいの速さで、かけだしました。